辰巳芳子さんのきっかけ(1)
ご無沙汰しております。
私の両親は本を読む人で、家に結構な数の本があります。
父はオスマン帝国やトルコに関する本、母は料理に関する本。
その他にもいろいろとあります。
私は図書館で気になる本やマンガを次々と借りるのですが、
たまに手元に本がなくなる時があります。
その時に家の本棚を見て、読みやすそうな本を手に取ります。
そして出会いました、辰巳芳子さんに。
食といのち | ||||
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『食といのち』 辰巳芳子 2012年出版
対談本は著者の伝えたいことが文面から伝わるのか心配だったのですが、
この本は対談によって著者の考え方を多角的に読み取れました。
著者の辰巳芳子さんはお父様の介護の時に、
様々な試行錯誤をしたことによってスープの可能性を見出しました。
私の母の晩年は、病気が進行してだんだんと固形物が喉を通らなくなりました。
私は鰹節と昆布で一番出汁をとって茶碗蒸しを作りました。
美味しがって食べてくれましたが、その時の私にはそれが精一杯でした。
その後、母は薬局で売っている「メイバランス」や
処方してもらった栄養補給のドリンクを飲んでいました。
でもどれも同じ「甘い」で、最後は味に飽きていました。
その時すごく思いました。
人にはいろいろな味覚があるはずなのに、
市販されている栄養補給するものは「甘い」しかないのはおかしい、と。
歳を重ねたら一体何を食べていけば良いのだろうかと
日々考えるようになりました。
そんな私の問題提起の答えの一つを
辰巳芳子さんの「いのちのスープ」が示してくれているように感じます。
さて、辰巳芳子さんの本をもっと読もうと思ったのは、
別のきっかけです。
それは次回に。